情報漏洩や検閲のもととなる既存ネットワークと、その克服に挑戦するMainframeとは

 

情報漏洩、検閲、突然のダウンetc...

既存の中央集権化されたプラットフォームには、様々な危険が潜んでいます。

イギリスのロンドンに拠点を置くMainframeは、分散化され、検閲や監視に耐性のあるブロックチェーン・ネットワークを作ろうとしています。

 

f:id:aviciida:20180314190103p:plain

 

 

既存システムの危険性

インターネットの普及や、それに伴うWebサービスやアプリのおかげで、人々の生活は便利になりました。

今22歳の自分ですが、10年前(中学入学)と比べた時でさえ、便利になっていると感じます。

Lineのおかげで、リアルタイムでかつ場所(国)を問わずメッセージをできるようになりましたし

FacebookTwitterのおかげで、オフラインで会うことなく、自分が気になる人の近況をチェックできるようになりました。

仕事ではSlackによってスムーズに内部(および外部と)のコミュニケーションが効率化されました。

上記のサービスなしでは生活が成り立たないほどです。

 

便利になるという良い面しか見ることができず、これがもたらす危険性に気づきませんでした。

 情報漏洩や検閲などです。

情報漏洩

ハッキングなどのサイバー犯罪による被害総額は、2019年までに2兆ドル、およそ200兆円にまでのぼると言われています。

参考:Cybercrime will Cost Businesses Over $2 Trillion by 2019)

名だたる企業もかつてハッキングによる情報漏洩の被害にあっています。

Yahoo

2013年の情報漏洩事件では、30億ものアカウント情報が漏洩しました。

史上最大規模の事件です。

参考:Yahoo Triples Estimate of Breached Accounts to 3 Billion)

Sony Pictures

2014年に、メール、パスワード、財務やマーケティングの計画、そして4本の未公開映画を含むおよそ100テラバイト相当のデータが流出しました。

参考:A Look Through The Sony Pictures Data Hack: This Is As Bad As It Gets)

Nortel 

ピーク時の2000年には10万人の従業員と300億ドルの売り上げを誇ったNortelですが、9年ごの2009年に倒産しました。

この倒産の原因と言われているのが、中国に国家的に支援されたハッカーによるシリアルIP窃盗です。

参考:How Chinese hacking felled telecommunication giant Nortel)

検閲

先日こんなツイートを発見して驚きました。

 

要約すると、中国でビザを更新しようとした女性が警察から

「記者向けのイベントを企画しているようだな」と言われ

彼女はそのようなことを公に投稿した覚えがなく

 WeChatのメッセージを監視されていたと悟ったのです。

 

これは中国政府ならではなのかもしれませんが

どこかの企業がホストしているプラットフォームを使っている限り

つまりそのホスト企業に自分のデータを預けている限り

データがたとえ非公開でも、100%チェックされる心配がないというわけではありません。 

この他にも、2017年11月にSlackが突如ダウンし、TwitterのトレンドにSlackがランクインしたりYahoo!ニュースでもトップに取り上げられるという出来事がありました。

チャットサービスSlackが一時ダウン、接続障害で全ユーザーがログイン不能に #slackdown | TechWave(テックウェーブ) #WAVE

 

 

 ブロックチェーンを基盤とした分散型ネットワークMainframe

Mainframeとは

イギリス・ロンドンに拠点を置くMainframeは、中央集権化によってもたらされるネットワークの危険性や脆弱性を克服するために、分散型ネットワークを構築しています。

CEOはNYSEに上場しているCheggに買収されたZinchの創業者の一人のMick Hagenで、他にも華やかな経歴を持つメンバーが揃っています。

 

Mainframeの特徴

1. 高度な暗号化

Mainframeネットワークは、最高レベルの暗号化技術を使っているため、個人間およびグループ内での通信のセキュリティが非常に高いです。

2. 個人の追跡を不可能にするダークルーティング

ダークルーティングを使用することにより、通信パターンを容易に識別できなくなるため、通信しているノードの特定がほとんど不可能になります。

上記の暗号化技術とこのダークルーティングにより、前例がないレベルのセキュリティの高さを実現します。 

3. 非ホスト型アーキテクチャ

Mainframeネットワークは分散化されており、特定のインフラや企業に依存することなく存続することが可能です。ネットワークに参加しているノードみんなが支えているという形になっています。

4. ネットワーク参加者へのインセンティブ設計

ノードがネットワークに参加するインセンティブ付けも設計されています。

ネットワーク運営に不可欠な、

・データサービス

・ファイルストレージ

・パケット保管

・パケットルーティング

というサービスにインセンティブを与えます。

各ノードは上記の行動をサービスを料金とともに宣伝し、顧客ノードから料金をもらってサービス提供を行います。

さらに、サービスを受けるノードは、支払いが滞らないか/債務不履行にならないかなどの基準で信頼度スコアがつけられ、そのスコアをもとにサービス提供者はサービスの料金を決めます。

たとえば、スコアが良い人には0.1MFT(Mainframeの通貨)、平均的な人には0.13MFTといったような感じです。

これにより、サービスを提供するノードもサービスを受けるノードも、ネットワークが滞らないように努力するインセンティブ設計がされているのです。

5. 相互運用性

Mainframeは、どんなアプリケーションでもそのニーズに合わせてこのプラットフォームを容易に使うことができるように設計されています。どんなアプリ、ネットワーク、ブロックチェーンあっても、セキュリティの高い通信層を構築したければこのプラットフォームが最適です。

 

Mainframeネットワークの応用

Onyx

こういった特徴を持つMainframeネットワーク上に構築された最初のアプリ(dappsと呼ばれるやつですね)がOnyxです。2017年12月にリリースされたばかりで、まだα版のようです。

f:id:aviciida:20180314182856p:plain

 

UIとUXはかなりSlackに似ているというのは見てわかる通りで、ご察しの通り、ビジネスチャットツールです。

組織ごとにチャンネルを作れて、その組織の中でもスレッドが複数立てられる、という感じです。

連絡先は、QRコードを読み取る、もしくは公開鍵を検索して追加することができます。

f:id:aviciida:20180314183430p:plain

 

Mainframeネットワーク上で構築されているため、管理する特定の企業や機関はいません。

参加するノード全員でセキュリティと匿名性を高く保ちながら管理・運営しているのです。

したがって、自分のメッセージの内容が意図しない他の誰かに渡ったり、ハッキングによって暴露されてしまうといったことは決してありません。

 

MainframeのICO情報 

トークンの価格

1MFT(Mainframeのティッカーシンボル)=0.000006ETH

*プライベートセール中に買った人には、10%のボーナスがあります。

ハードキャップとバリュエーション

合計で100億MFTトークンがあり、その中の50%のプライベートおよびパブリックのトークンで30,000ETHを集めようとしています。

20,000ETH分のトークンがプライベートセールで販売され、残りの10,000ETHがパブリックセールで販売されるそうです。

残りの50%のうち、25%は社内チームで分配、15%はリザーブ、そして10%はプラットフォームのインセンティブとして使われる予定です。詳しくは

  • 25%のチーム用トークンは3年間かけて配布
  • 15%のリザーブトークンは12ヶ月間はロックされ、その後のネットワークの成長に必要なさそうならばバーン
  • 10%のインセンティブ用トークンは2年間かけて、1ヶ月ごとに配布

といったようになります。

ICOの日程

詳細は不明ですが、おおよそのタイムラインは以下の通りです。

  • プライベートセールは2018年2月に完結
  • パブリックセールは2018年3月に完結

購入されたトークンは2018年4月に配布され

2018年5月にテストネットがローンチされる予定です。

 

参考:Mainframe (MFT) ICO Analysis: A Secure and Decentralized Communications Network)

あとがき

いかがでしょうか。

私もMainframeのホワイトペーパーを読み込むまで、自分が使っているツールが特定の企業に管理されていて、そのせいでデータが必ずしも安全ではない

ということに気がつきませんでした。

まぁ大丈夫だろうと信頼している企業も、いつハッキングにあって情報漏洩が起こるかわからないですから、気をつけなければいけないですね。

メッセージツールに関しては、Onyxのさらなる開発が期待されます。

MainframeはIoTデバイスをはじめ、他の分野にも拡張していける可能性を秘めているので、今後の動向に注目です。

 

Mainframeの情報