#SlushTokyo2018 ボランティア向けのトークセッションがAccenture Innovation Hubで行われたので行ってきました。
多くのインスパイアリングな方々がお話をしてくださいましたが、今回は保育のICT化を進める株式会社hugmo社長の湯浅さんのお話を紹介したいと思います。
登壇者
湯浅重数 氏(株式会社hugmo 代表取締役社長)
ソフトバンクにてIT統括 ITサービス開発本部 アプリケーション&コンテンツサービス統括部 統括部長などを歴任し、Visuamallの立ち上げやソフトバンクアカデミアの立ち上げに従事。ソフトバンクグループの新規事業提案制度に応募してhugmoを事業化。
hugmoとは
サービス内容
保育の先生と保護者の連絡オンラインで行うhugnoteというアプリを軸に、以下のサービスを提供しています。
hugnote
保育園(および保育園の先生)と保護者の間のコミュニケーションをオンラインで行う連絡帳サービス。保育園から保護者へのお知らせ・生徒についての個別連絡・保育園のイベントなどのスケジュール・日常的に撮影された写真を保護者に共有するフォト管理・出欠やお迎え予定などの各種申請をこのアプリで行うことができます。
hugphoto
園内で撮影される日常活動の写真や、イベントでプロのカメラマンが撮った写真などをクラス、イベント、月ごとに見ることができます。さらに、気に入った写真をL版プリントやフォトブックとして保護者にお届けします。
hugselection
hugmoのオリジナル商品や便利で安心な保育関連商品を指定された家庭や園へお届けする、hugnote上のeコマースサービス。
huglocation
園の送迎バスの位置情報をリアルタイムにマップ上に表示し、送迎の効率化をはかるサービス。
hugsafety(ページ準備中)
IoTセンサーやクラウドを駆使して子供の安全を管理し、保育士の負担を軽減するサービス。
競合
韓国のKids Noteという会社が同様のサービスを2012年に韓国内で提供開始し、2015年にカカオトークを運営するDaum Kakao Inc.に買収されました。
同年の2015年5月に三井情報株式会社が「きっずノート」として日本国内で実証実験を開始し、2015年11月にサービス提供を開始しました。
サービス立ち上げる上で大切なこと
どこのベンチャーキャピタル(VC)に投資の相談をする時でも、この6項目を押さえていれば大丈夫です。
1. Problem(課題)
どういったサービスも何かしらの課題を解決するので、ここの課題を特定するのが大事です。
ここの課題が大きければ大きいほど、ソリューションの価値が大きくなります。
2. Solution(解決策)
課題を特定した後にどういったソリューションでその課題に対処するかというのも大事です。
3. Traction(市場規模・牽引力)
どれだけ画期的なものを発明しても、マーケットに受け入れられないと意味がありません。
そして、新しくマーケットに受け入れられるためには既存のものを壊さなければいけません。
そのためには、「時流を読む」というのが非常に大事です。
私は大きく3つのことに注目するべきだと考えています。
パラダイムシフト
近年でいえば、ガラケーからスマートフォンへのデバイスの変化が大きなパラダイムシフトですね。
人が多く時間を消費するプラットフォームがスマホになり、ビジネスは大きな変化に対応することを余儀なくされました。
国策
国が主導して特定の課題を解決するために予算を組み始めた時もチャンスです。
私たちも、女性の社会進出や保育園の問題などに政府が注目し始めたところを狙ってビジネスを始めました。
規制
規制に変化が起こった時もチャンスだと思っています。
ネット証券が立ち上がったのも、株式委託取引手数料の自由化という規制の変わりどきでした。
4. Future(将来)
将来像をどれだけ見せられるかというのも大事です。
私は、5年後には通用しなくなるビジネスモデルだとダメで、最低でも5~10年の事業計画は必要だと考えています。
投資対象にみている期間によって投資額は変わってきます。
数年先に向けた投資もありますし、ソフトバンクビジョンファンドなんかは「石油」と「ガス」の次の柱を作ろうという100年200年先に向けた投資をしていますよね。
5. Revenue(収益)
インターネットで起業をする場合は、ユーザーさえ捕まえてしまえば、キャッシュポイント(収益源)は後で考えられますので、ユーザーをどれだけ囲い込めるかというのが大事です。
ユーザーを囲い、サービス内でそのユーザー同士がコミュニケーションをしてさえいれば、勝ちだと思っています。
6. Team(チーム)
創業者の実績が大事というのは間違いないですが、創業チームが仲良しクラブのような感じではいけません。
事業をするのに必要なスキルを360°カバーできるようなチームを組むことを意識してください。
営業だけ強い、もしくは開発力だけはある、というのでは長期的な戦いに勝っていけません。
開発が苦手ならそれができるエンジニアをチームに引き入れるべきですし、営業が苦手な場合はそれが得意なメンバーを入れるべきです。
足りないところをお互いに埋め合うことができるチームを作りましょう。
Hugmoの場合
保育園はIT化が遅れているという問題がありました。書類は紙ベースで効率が悪く、親とのコミュニケーションも紙の連絡帳などをベースに行われます。
最近の親御さんのインターネットを使い情報を集めているので、手に入る情報の種類が豊富で量も多く、同じような質と量の情報を幼稚園にも要求します。
しかし紙を使っていてはインターネット基準の情報には追いつけないという課題がありました。
さらに、幼稚園は政府からもらう補助金も運営資金として含めていますが、その補助金は使い道が決められており、IT化に使える予算はなかったんです。
そこで、親御さんの求める水準の情報提供とコミュニケーション実現のために、オンラインの連絡帳サービスを考案し、ICTに使うことができる補助金が園におりそうなタイミングで事業をスタートさせました。
*2017年4月から厚生労働省はICTシステム導入保育所に対しての助成金を開始。hugmoサービス開始は2016年11月。
現在は400施設への導入と55,000ユーザーという実績があります。
あとがき
「保育園落ちた日本死ね」で話題となっている保育園問題ですが、各施設での労働環境を良くする(ペーパーワークを減らし効率化する)というアプローチは、保護者の満足度を上げながら保育士の負担を減らすというwin-winな対応だと思いました。
事業立ち上げに関しても、時流を読むのが大事だというところが印象的で、次のパラダイムシフトはなんなのか、アンテナ張っていこうと思います。
参考
IT導入で業務・手間削減はあたりまえ!シェアナンバーワンのhugmoが提供する新しいバリューに迫る